「後悔だけはするな」というメッセージが溢れすぎている件
世間には「後悔しないように精一杯生きろ」というメッセージが溢れています。漫画しかり、小説しかり、ドラマしかり。もちろん学校でもよく言われました。
「後悔しないように、しっかりと勉強しなさい」
「後悔しないように、ちゃんと考えて決めなさい」
「後悔しないように、毎日練習しなさい」
などなど、皆さんもいろいろあると思います。私も中学生ぐらいからでしょうか、後悔しないように生きようと強く意識して、スポーツにも勉強にも、たまには恋愛にも力を入れました。
今思うと、「あーあの時がんばっててよかったなぁ」と思うことも多く、「後悔しないように生きる」という意識は間違ってはいなかったと感じます。
が、この「後悔しないように生きろ」というメッセージが非常に重く感じられることが最近増えてきました。
過去のことを考えても仕方がないことは知っています。全員知っています。でも、頭では理解していても、ちょっと疲れていたりすると、心では「あの時こうしていればよかったなぁ」と感じてしまう、そんな夜は誰しもあるかと思います。
「後悔しないように、もっとがんばればよかった」
「後悔しないように、あの時あっちを選べばよかった」
社会には、こんなに「後悔だけはするな」というメッセージが溢れているのに、自分はなぜ後悔してしまっているのだろうか。
こんな思いで、自分の心を削ってしまっている人は、おそらく私だけではないはずです。これは負のループに陥っている状態なので、なかなか抜け出せません。おそらく、私も死ぬまで抜け出せない気がします。昔から教えられてきた、「思考の癖」みたいなものです。
では、私のような思考被害者をこれ以上増やさないために、どうするのがいいんでしょうか。もし私に子どもを育てるような機会が今後できたとしたら、私はおそらく
後悔しないように、精一杯生きろ
とまずは伝えます。
え、そのままやん、となりますが、それに加えて、
でも、普通の人は結果的に後悔するから、後悔しなかったらラッキーぐらいに思ったらいいよ
と伝えます。
もう少し大きくなったら、
そもそも「後悔するな」という風潮は、後悔している大人が作っているのよ。だから参考程度にすればいいよ。
と伝えます。
百田尚樹さんのおそらく「プリズム」という著書だったと思いますが、下記のようなやりとりがあり、とても印象に残っています。
大人:夢は何?
少年:大人ってすぐに子どもの夢を聞いてくるよね。
大人:そうね。大人が子どもに夢を尋ねるのは、なぜだかわかる?
少年:夢を叶えられなかった大人が多いから。自分ができなかったことを、子どもにはなんとかできてほしいという思いがあるんだよ。
かなりうろ覚えなのですが、こんな感じのやり取りだったと思います。
社会が「後悔するな」という思いで溢れているのは、後悔だらけの大多数の大人が「次世代の子ども達には、私のように後悔はしてほしくない」という思いを抱いているからではないでしょうか。
そろそろ「後悔はほぼ必ずするよ」という正直な考え方や育て方が流行る時代なんじゃないかなぁ。流行ってほしいなぁ。
P.S 「永遠のゼロ」や「海賊と呼ばれた男」よりも、プリズムおすすめです。(作品を再度確認したわけではないので、上記の描写がもし他の作品のものであれば、誠に申し訳ございません)。