ぴろ式

31歳、普通のおじさんのブログ

「後悔だけはするな」というメッセージが溢れすぎている件

世間には「後悔しないように精一杯生きろ」というメッセージが溢れています。漫画しかり、小説しかり、ドラマしかり。もちろん学校でもよく言われました。

「後悔しないように、しっかりと勉強しなさい」

「後悔しないように、ちゃんと考えて決めなさい」

「後悔しないように、毎日練習しなさい」

などなど、皆さんもいろいろあると思います。私も中学生ぐらいからでしょうか、後悔しないように生きようと強く意識して、スポーツにも勉強にも、たまには恋愛にも力を入れました。

今思うと、「あーあの時がんばっててよかったなぁ」と思うことも多く、「後悔しないように生きる」という意識は間違ってはいなかったと感じます。

が、この「後悔しないように生きろ」というメッセージが非常に重く感じられることが最近増えてきました。

過去のことを考えても仕方がないことは知っています。全員知っています。でも、頭では理解していても、ちょっと疲れていたりすると、心では「あの時こうしていればよかったなぁ」と感じてしまう、そんな夜は誰しもあるかと思います。

 

「後悔しないように、もっとがんばればよかった」

「後悔しないように、あの時あっちを選べばよかった」

 

社会には、こんなに「後悔だけはするな」というメッセージが溢れているのに、自分はなぜ後悔してしまっているのだろうか。

こんな思いで、自分の心を削ってしまっている人は、おそらく私だけではないはずです。これは負のループに陥っている状態なので、なかなか抜け出せません。おそらく、私も死ぬまで抜け出せない気がします。昔から教えられてきた、「思考の癖」みたいなものです。

 

では、私のような思考被害者をこれ以上増やさないために、どうするのがいいんでしょうか。もし私に子どもを育てるような機会が今後できたとしたら、私はおそらく

後悔しないように、精一杯生きろ

とまずは伝えます。

え、そのままやん、となりますが、それに加えて、

でも、普通の人は結果的に後悔するから、後悔しなかったらラッキーぐらいに思ったらいいよ

と伝えます。

もう少し大きくなったら、

そもそも「後悔するな」という風潮は、後悔している大人が作っているのよ。だから参考程度にすればいいよ。

と伝えます。

 

百田尚樹さんのおそらく「プリズム」という著書だったと思いますが、下記のようなやりとりがあり、とても印象に残っています。

 

大人:夢は何?

少年:大人ってすぐに子どもの夢を聞いてくるよね。

大人:そうね。大人が子どもに夢を尋ねるのは、なぜだかわかる?

少年:夢を叶えられなかった大人が多いから。自分ができなかったことを、子どもにはなんとかできてほしいという思いがあるんだよ。

 

かなりうろ覚えなのですが、こんな感じのやり取りだったと思います。

社会が「後悔するな」という思いで溢れているのは、後悔だらけの大多数の大人が「次世代の子ども達には、私のように後悔はしてほしくない」という思いを抱いているからではないでしょうか。

 

そろそろ「後悔はほぼ必ずするよ」という正直な考え方や育て方が流行る時代なんじゃないかなぁ。流行ってほしいなぁ。

 

 

P.S 「永遠のゼロ」や「海賊と呼ばれた男」よりも、プリズムおすすめです。(作品を再度確認したわけではないので、上記の描写がもし他の作品のものであれば、誠に申し訳ございません)。

 

プリズム (幻冬舎文庫)

プリズム (幻冬舎文庫)